Google が公開している「COVID-19 感染予測 (日本版)」には倫理的な問題があるのではないか

本記事では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による「死亡者数」を予測することの倫理的問題について考える。

Google は、日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後約1か月の新規陽性者数および死亡者数などの予想情報を2020年11月17日から提供開始した。

まず先に述べておきたいのは、この予測データはおそらく今後の感染拡大の予想を行う上で一定程度役立つであろうし、その意味では問題はないであろうということだ。

そのうえで、感染者数だけでなく、未来の「死亡者数」まで予想として提供されていることに倫理的な問題・危機感を感じた。まるで天気予報のように「2020年11月18日~2020年12月15日の28日間に日本で608人が死亡する」(2020年11月20日時点)と書いているのだ。

確かに感染者数がアルゴリズムで予想できるのだから、死亡者数だって予想できるだろうし、未来の死亡者数を予想して公開すれば何かの役に立つだろうから、予想して公開しようという、そう考えつくのはわかる。それに確かにこの情報は関係各団体にとって役立つ可能性があるのもわかる。

でも、でもだ、本当に良いのか?その「608」というのはただの数字ではなく今後28日間に日本で死ぬかもしれない人間の数だぞ?まだ生きていてこれから死ぬかもしれない人間の数だぞ?本当に予想して、ウェブサイトで公開して良いのか?そこに倫理的問題はないのか?

「一人の死は悲劇だが、数百万人の死は統計上の数字に過ぎない」という有名な言葉がある。新型コロナを取り巻く今の状況はまさにこれではないか?私たちは新規感染者数どころか、新規死亡者数すらもただの統計上の数字だと思っていないか?そしてさらに今、未来の死亡者数までも予想し、ただの統計上の数字だと考えようとしていないか?

私たちは人間の生きる価値を数式とアルゴリズムで求めて納得しようとしていないか?

#COVID19