電通、IoT 機器の使用状況を広告配信に利用するサービスを発表

2021 年 6 月 7 日、電通はシャープ製 IoT 家電の使用状況を広告配信に利用するサービス「domus optima (ドムス・オプティマ)」の β 版を発表した。シャープ製 IoT 家電利用者のプライバシーが侵害される恐れがある。

電通は「domus optima」を、IoT 家電の利用時間や利用方法などを分析し、それに応じた広告を配信するサービスだと説明している。

これは、利用者にはほとんどなんのメリットもなく、むしろ自分が購入した家電に自分の生活を監視されるサービスに他ならない。

多数の問題点

「domus optima」は、インターネット上のターゲティング広告を現実世界に持ち出そうとする試みの一つである。

そのターゲティング広告には、既に多数の問題点が指摘されている。

例えば、2016 年の米大統領選では、黒人が投票に行くのを阻止するためのターゲティング広告をトランプ陣営が配信したと指摘されている。これ以外にもターゲティング広告が選挙に干渉するために使用された例が複数ある。

過去には、ターゲティング広告を特定の人物に表示させることを試み、成功した例もある。それほど、ターゲティング広告は特定の人物をターゲットに指定できることを示している。

以上のように既に課題が山積しているターゲティング広告で更に、現実世界での活動まで追跡できるようにしたものが今回電通が発表した「domus optima」だ。これに問題がないと考えるほうがおかしい。

また電通は、「将来的には、例えば季節の食材を使った料理特集がテレビ放送されているタイミングに合わせ、番組を視聴し、かつオーブンレンジをお使いのお客様へ、レンジで簡単に調理できる料理のレシピについてスマホや家電を通じてお知らせするなどを実現してまいります。」とも発表している。

この将来的な計画にも様々な問題がある。つまり電通は、IoT 家電利用者がいつどんなテレビ番組をどのくらい視聴したかを監視し、その他の IoT 家電の使用状況も監視し、それらを組み合わせて広告を配信しようとしているのである。

選挙への干渉やマイノリティの抑え込みなど、いくらでも悪用方法が想定できる。

規制の必要性

「domus optima」のような過剰なターゲティング広告は、社会的なリスクが大きい。既に通常のターゲティング広告が選挙への干渉に利用されている現状を考えればそのリスクの大きさは容易に想像できる。

これらの過剰なターゲティング広告は、何らかの形で規制する必要性があるのではないだろうか。